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「羌の、意味が、だけが理解できた。文字はどうだろうか? 廖主簿、紙と筆を」
紙を見て不思議そうな顔をしていた。アラビア語で幾つか短文を書いてみて渡す。
「少しならば我々も理解出来ます。恐らくはまだ西の地域のものでは?」
額を寄せ合いあれこれと見比べてみて意見をすり合わせる。
「そうか、貴重な意見を貰えた」
これでは言葉も文字も使うのは無しだな。
「島将軍が馬氏を妻に迎えたならば、将軍と我々は親戚です。より良い関係を結べることを願います」
馬氏族頭、馬超将軍は羌族の母を持っていた。族子を妻にしたならば確かに俺もそれに含まれてもおかしくはない。
それはつまり馬超将軍より格下だと見られている事実もあるが、そんなことは全く気にならなかった。
「私もそう願うよ。時に羌族の土地から鉄が産出されると聞いたが」
「はい。我々はあまり必要とはしませんが」
「うむ。馬氏を通じて私が買い上げたい、採掘も引き受けるがどうだろうか?」
突拍子もない内容、そういうことなら先に伝えておいてくれたらよいのに、そんな言葉が聞こえてきそうだ。
使者らは早口で相談して話をまとめ、返事をする。
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