三国志蜀の中原制覇編(220年代

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「幾つか条件があります」 「何でも言ってみて欲しい」  そりゃあるだろうさ。頷ける内容なら丸のみしてやるよ。 「我々は蜀ではなく、島将軍と取引を行う。採掘はそちらが行う。代価は採掘時に家畜と交換する。馬氏が逝去、離縁の折にはこれらは破棄される。どうでしょうか」  む、個人的にときたか。それより馬氏がというのが難しい、病気や事故で急死ではたまらんぞ! しかし代替案は無い。 「承知した。一つ私からも、これは願いがある。馬氏を離縁するつもりは毛頭無いが、体が弱く急逝の懸念は拭えない。後妻を迎えることで約束を継続は可能には出来ないだろうか?」  ほいほいと娘を差し出す訳もないだろうが、国家の一大事ならばわかってくれるはずだと提案する。 「その折には馬氏からだけでなく、羌族からも妻を迎えられたい。如何で?」  島将軍という存在と繋がりを絶ちたくない、そういう意思表示だな。 「嫁入を嫌がらねば私は歓迎するよ。器量は問わないが、言葉だけは通じて貰いたいものだ」  羌夏歩珂が笑う。冗談はしっかりと通じるらしい。  出来れば器量も保証して欲しいが、それは欲張りだよな。 「されば羌族は島将軍との盟約を発効する。私が幕に残るので、副使を羌に戻します」 「では客人として遇する。呉長史、委細任せる」 「御意」  相変わらずの丸投げが続くが、そこも割り切ることにしよう。適材適所だ。
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