三国志蜀の中原制覇編(220年代

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◇  勝手に手配をしてしまうが、塩と鉄は国家の専売特許だと後に知らされる。だからこそ個人と取引を求めたと。  俺はまた闇商人じみたことに手を出してしまったのか。参ったな。  約束したものは仕方ない、違反は承知で国家の為だと信じて続けるしかない。  成都に居る馬氏に書簡を送ることにした。ついでにこのあたりで採れる宝石を贈ることにする。  これも夫の務めか、会って数日のみの関係だ、不安で堪らんよ。  孔明にも書簡と伝令で羌との関係、将来的な何かを伝えておいた。詳しくは言わずとも彼なら理解するだろう。 「この辺りに要塞を一つ築くんだ。補給の中間貯蔵地点に据える」  王将軍に場所の選定と築城を命じる。集落から人を集めて作業を手伝わせ、三日で満足いく形を作り終えた。  兵二千を常駐させて要塞拡張を行わせておく。断崖絶壁、後ろは渓谷なので水の心配はなく、切り立った崖は何度か折り返してようやく要塞に辿り着く。  多少手間はかかるが、大切な物資を確保するには安心安全を優先させた。 「よし、進軍を再開するぞ」  馬将軍の伝令がやって来ると、雲南城を占領したと報告が上がる。  これでスタートラインか。長い夢はまだまだ楽しめそうだ。
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