三国志蜀の中原制覇編(220年代

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 本陣が雲南に入城すると、馬将軍が出迎えに出て来た。  随分と気候が違うな、このあたりは熱射病に注意しなけりゃならん位に暑くなるぞ! 「馬将軍ご苦労だ」 「無血開城を受けました。朱褒の手勢だった者らが仕切りに呼び掛けを」 「そうか」  同郷の兵五千がやって来たら、そりゃ戦うまいさ。呉長史の手配だったな、やはり奴は使える。  戦わずに城を一つ手に入れた、これを功績と呼ばずに何というのか。  内城に入り太守の椅子に腰を落ち着かせる。郡の役人が身を小さくして新しい支配者に謁見した。 「私が島太守だ。この地は今より正式に蜀の統治下に組み入れられる。郡の官に告げる、蜀に忠誠を誓うならば今まで通りに抱えることを約束しよう」  とはいえ居なくなって困るのはこちらだからな!  諸官が平伏した。幕僚らも何も言わずにそれを見詰める。 「だが裏切りには死を与える。何が大切かを自ら考え職務に励め。雲南長史は前へ」 「ははっ、雲南長史の苗允に御座います」  長身で細身、やけにしなりが良さそうな体型だな。 「苗長史、郡の概要を明日に、詳細を十日の後に提出せよ。これは最優先命令だ」  もしかして苗族か? 昔過ぎて時代の前後がわからんな! 「ははっ」 「馬将軍、三日の後に昆明へ進軍だ。手勢に五千を更に加え、二万を預ける」 「御意」
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