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成都の孔明に詳細を報告した。すると越峻太守に高定を留任させ、偏将軍に任命するとの返事を携えた使者がやって来た。
更に擁鎧の支配地域も併合して統治するようにとの指示が下った。高将軍は驚いて蜀への忠誠を声高に宣誓する。
で、俺への指示がこいつか。朱褒の死で空席になった雲南太守に任じる、か。自力で奪って来いってわけだ。
散護忠将軍仮節雲南太守監丞相府諸軍事護南蛮校尉中郷侯、何をどうしたらこうなるのかそのうちじっくりと考える必要が出てきた。
後方基地を高将軍に一任して、本軍は南下を続ける。
擁鎧、朱褒らの兵士のうち、従順な者二万を新たに指揮下に加えた。高将軍からは蘭智意が派遣され五千の兵士を本陣に置く。
途中で永昌郡に寄り道をする。連絡が途絶えていたので様子を確認するためだった。
「あれが永昌城です」
傍の者が指差す。『蜀』『王』の旗が林立しているが、城の周囲は激戦の跡が艶かしかった。
死体が転がっていて、中には白骨化しているのもある。
「王将軍、国旗、軍旗を掲揚し到着を触れてこい」
「御意」
いきなり近づいて敵と間違えられては面白くない、緊張を解く為にも王将軍の旗印は絶好だった。
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