温もり。

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温もり。

僕は次の次の3回目のデートで 君にプレゼントを持って行ったんだ。 やっぱり…… 告白って男からしてくれた方が嬉しいんだよね? 僕は君が笑って無邪気に喜んで僕の腕を握りしめる所まで想像してたんだ。 だけど──。 『ヤダ』 君がそっぽ向いた。 僕はすごく焦りながらその花の説明を蘊蓄のようにひたすら君に言ったよね。 あのね、向日葵の花言葉はね…… 貴方だけ見つめてる。なんだよ! あのね……あの、向日葵は嫌いだったかな? 『貴方がそんな事知ってるはず無いもん。きっと他の花屋の女の子に聞いたんでしょ?他の女の子が選んだお花だもん……』 君が焼いた初めてのヤキモチ。 可愛くて可愛くて 初めて君に触れた。 あたたかいほっぺを撫でた。 『花は僕が選んだんだよ。僕だってちゃんと調べたんだよ』 君は子供みたいに向日葵を抱きしめて眺めて抱きしめて。 ──ずっと繰り返していたね。
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