零章 「ダンジョン」

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「次は私ね~。私は~調査係のプリシア・ジャッチですよろしく?あと、マッドサイエンティストはプラン先生の助手で?す」 「おい!プリシア!私のことをマッドサイエンティストと呼ぶな!」 プリシアと呼ばれる方は藤色の乱れた長髪をした少女だ。 目元に隈ができているが恐らく研究による睡眠不足だろう。 「こほん、あー私が調査係のプランツェッカ・ルトバリア・ロッジだ。この調査団の調査計画を任されている」 白髪に小さい丸メガネを掛けたどこぞの先生といった感じの人物だ。 「プランツェッカ…?たしか、数々のダンジョン調査報告を出している有名な学者だと聞いたことがあるが…」 青年は思わず、聞いたことのある名だと口を開いた。 「そうそう、そこのプラン先生は我が調査団の稼ぎ頭でね。この世界指折りのダンジョン研究者の一人さ」 団長が代わりに言ったところで、座り直し腕を組み険しそうな顔をする。 「ふん、モノは言いようだ…こき使いやがって…ブツブツ」 恐らく一番働かされているのだろう。 「この他に現地でうちの新人と戦闘係が待機してる。それと政府の調査員も同行する」 ひと通り紹介が終わり今度は青年の番となる。青年は全体を見渡し後、ゆっくりと口を開いた。 「俺の名はクロノス。どうせ死に行くんだ覚えなくていい」 一同はまたしても顔を歪めたが唯一ジーンだけは笑った。 「ははっ!いやぁ、そう簡単に死ねるわけないだろ?ダンジョンは君みたいに自殺願望があるものは決して死なさぬ意地悪さがある…君が死のうともダンジョンは生かすだろうよ」 「ふん…だとしてもダンジョンだ。生きて帰れる保証などないだろ」 屁理屈ばかりを言うクロノスではあるが、それを気に入ったのかジーンは立ち上がって大きく腕を広げた。 「生きて帰れる『保証』なんてものは必要ない!『生きて帰る』のさ!死にたいとか帰れないとかそんなもんは自分たちで作るのさ!」
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