零章 「ダンジョン」

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テント内に入ると中央に長机と椅子、ノートパソコンなどが置かれている横で銃火器がゴロゴロと並べられている。 その他に手術に使うであろう医療具、食料品やテントなどアウトドア品がテントの端に沿うように陳列してある。 「狭いがまぁ腰掛けてくれ。すぐにブリーフィングを始める」 ジーンが座り出すと皆続々と腰掛ける。 クロノスも空いている席に腰掛ける。 皆一様に緊張した面持ちでブリーフィングが始まる。 「今回のダンジョンだが、時計塔の上ということもあって、『時間』に関する仕掛けがあると推測される。過去にも時間が関係する仕掛けがあった、一定時間モンスターだけが動かなくなるもの、時間が立つにつれてモンスターが強化されていくもの、まぁ時間が関するものに関しては立花くんの出番ということで、彼女は今回の調査の要になるだろう 」 「はぁ…また私ですか。いい加減『ダンジョンの出現した土地に関わるものへの性質変化』っていうをやめて欲しいです…」 ジーンがひと通り説明するとうなだれる立花。 ダンジョンはその出現した土地に関わったモノを元に内部構造が変わってくる。 例えば今回は時計塔の上であるから時間、または時計のような機械仕掛けなどその土地に関わるものの特徴を元にダンジョンは性質を変化させていく。 「あーそれから、今回も政府からプロの調査員の方たちに来てもらいました…はぁ。お入りくださーい」 ジーンは気を落としながら、気だるげな声で客人を呼んだ。 テントの入口からゾロゾロと私服や作業着などこの場にいた者達とは違った雰囲気の者達が入ってくる。 「どうも皆さん!我々は政府の依頼でこの度調査を同行させて頂く者です!」 がっしりとした体格の大男が皆を代表して、挨拶する。 テントに入って来たのは5人。 一人ひとりが自己紹介をしていく。 「えー、私はダンジョンの性質分析を担当するヒラノと申します」 「でゅふふ、拙者はハッカーのヤスシと申し候う。ダンジョン内にある電子機器の調査及び、あっこれは拙者のミッションであります故言えませぬ」 「俺は護衛のタカシ!おめぇらのことをしっかり守ってやるからよぉ!よろしく!」
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