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日も落ち帰宅した私たちは、別行動をとる。
影が自分の部屋へと入っていくのを確認し、すぐさま家族共有のパソコンの自分のアカウントを開き、今日のデータを入れ込む。
パスワードロックも忘れない。
規則性はあるがすべて違うパスワードだ。もし仮に影に情報を見られようとも安心だ。
撮っているものが別に疚しいわけではないが、他人に見られるのはちょっと恥ずかしい。
私の心の壁を想起する何重にも重なったパスワードロックは破られまい。
そんなことを考えながら私はパソコンを閉じた。
私が自分の部屋に行くと別途に横たわり今日一日を思い出し、日記をつける。
日記は小学校入学時からはじめた日課だ。なにか継続して行うことができるようにと母が進めたものだ。
惰性になりつつも、もう10年目。
小学校時期の”がんばってしっかりした文にしよう”と背伸びしている感じも、中学校時期の”なんでこんなことやってるんだろう”感のある適当な文も、見返してみると面白い。
そんな思い出に囲まれて私は一日を終える。
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