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また惰性の一日が始まる。
意味もなく学校に行き、意味もなく授業を受け、意味のわからないクラスメイトの談笑を聞き流し、そそくさと帰宅する。
帰宅すると1時間後には影に公園へ連行される。
ひたすら遊具で遊ぶ影を、公園に来ていた近所の小学生と一緒に遊ぶ影を私は遠くから撮っている。
なにも変わらない、つまらない一日だ。
液晶には小学生と影が映っている。
影は小学生を笑わせるために試行錯誤している。
そんな姿が映っている。
”なんとも可笑しな顔だろう。当人に見せたらどんな反応をするだろう。”
液晶には小さなワイプの画面で変な顔で笑う影がいる。
・・・・いや、違う。
・・・・コレは私だ。
液晶横のカメラは今、私を向いている。
映し出してしまった私の顔は影と似て可笑しかった。
やっぱり双子は似ている。可笑しく笑う私たちはそっくりだ。
そんな姿を見て私は、もう一度笑みをうかべる。
液晶に映る小学生と影と同じ、満面の笑顔だ。
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