俺が選ばれた!? けっけっけ!

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「な、なんじゃこりゃ! おま……ええ!? くれんのか? これを!?」 ゴメスンが中からいくらか取り出して近衛に見せているのは金貨。 金貨1枚で銀貨50枚分の価値。 銀貨1枚で銅貨50枚分の価値。 基本的にゴメスンのような生活水準を送っている者で、金貨を目にする機会は年に1度もない。 銀貨は目にする機会はあるだろうが、手にすることはない。 ゴメスンの利用する店周辺は銅貨の流通が基本的な低価格帯の怪しい商店街になる。 ゴメスンは複数の金貨に手を震わせている。 偽物であるかどうか念入りに凝視しているが、金貨を見たことがないだろうゴメスンでは判断できないだろう。 「何とぞ、我々についてきてはいただけないでしょうか!」 「うーん……ここまでしてもらったんだ」 「では……!」 「今すぐじゃなくていいんだろ? 紙にも本日中って書いてあるらしいし。少し待っちゃくれねぇか?」 「は、はぁ。それは……構いませんが」 それを聞いたゴメスンは馬車から降りる。 「ゴ、ゴメスン様!?」 「なに、ちょっとだけだから心配すんなって。直ぐ戻るよ」 馬車に残された近衛兵3人を残して、ゴメスンは暗い路地裏へと静かに姿を消していった。
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