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「それで、だ」
ゴメスンは目の前に転がした金貨を前に座るナグロフの前に移動させる。
「な、なんですかい?」
「そいつはおめぇにやる。ただ、俺と王宮までついてきてくれねぇか? ヤバいことに巻き込まれる可能性が高いし、王宮じゃない場所で下ろされて売り飛ばされる可能性だってある。金貨1枚じゃ足んねぇかもし――」
「いきやすよ。他でもねぇゴメスンさんの頼みですからね。……金貨はいただきましょう」
ナグロフは自分の目の前に置かれた金貨をすばやい動きで取ると、懐や靴、靴下、下着の中などに手を入れて誰から見てもどこに入れたかわからないような動作を繰り返す。
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