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「こういう者でございます」
ボサボサ頭の男、ゴメスンの前に塵1つ付いていないキレイな黒い服を見に纏う男が3人、豪華な短剣を見せて立っている。
その短剣はそれだけで国の中に家と土地が買える程に貴重な物で、王宮の近衛兵にしか持つ事の許されぬ、謂わば王宮の者であるという証である。
この短剣は国に暮らすものであれば誰もが知っており、身分を証明するものとしてこれ以上のものは存在しないだろう。
また、有名なその短剣はその刀身を光の加減により金から薄紫色に輝く希少な金属を使用することにより、レプリカ等を作成することは極めて困難である。
「あ? なんで王宮の人間がこんなところに来たんだ?」
ゴメスンの周りはアルコール臭の漂うおびただしい数の瓶が転がっている。
かろうじて家と呼ぶことができるのか、怪しい扉が申し訳程度に付いた建物からゴメスンは顔を出している。
王宮の者がここへ来ることなど、反乱分子の討伐以外にはありえない事である。
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