失礼、詰みまみた

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「で、本題は?」 心底興味のないといったオーラを全開、隠す気もなく神さまにそう問いかけた。 さっきの表情は気のせいだったのかなんなのか、こほんとひとつ咳払いを漏らして話し始める神さま。 「実はあなたには今から違う世界へ転生してもらいます」 「訳わかんねえよやだよめんどくさい」 「世界では、謎の化け物に世界を殆ど支配されてしまいました。 残された人類は小さな島に集まって抗戦を続けていますが、徐々にその均衡は崩れ始め、このままではすぐに人類は住む場所を失ってしまうでしょう。 そこである大国の王は数多ある異世界の中から圧倒的な力を持つ者を12人連れてきて人類の危機に立ち向かおうとしました」 若干の御伽噺口調を混ぜて話す彼女に対して彼は言葉を遮るように返す。 「だからいやだって……」 「その中の1人が貴方ですよ、志乃 優沙さん」 「いや話聞けよやだって言ってんだろ」 彼、志乃 優沙は 心底嫌そうな顔をしながらそう言ってみせた。
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