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「あ?」
鳩がポンプアクションショットガンを食ったような間抜け面で小さく声を漏らす彼。
明らかに矛盾している。
誰もがそう思うだろう。
彼もまた例外ではなく、神さまに問い詰める。
「いやお前今最強の一角的なこと言ってただろ。
なんで最強が最弱なんだよ」
「知りませんよ、私に聞かないでください」
彼の方は内心、そこは答えるのかよ……とうんざりしていたようだが拒否権どころかろくに発言権すら無さそうなので諦めて話を進めることにしたようだ。
「いやお前神様じゃ」
「神さまにもわからないことはあるのです」
なぜか胸を張った神さまを見て彼は、神さま万能すぎだろ、と心の中で愚痴た。
「とまあそんな貴方が異世界の環境で生き抜くには辛いと思い、心優しい神さまは貴方に1つの武器を授けます」
「いらねえよ」
若干食い気味に切り捨てた彼を見て神さまはぽかんとしている。
「いやいやなぜですか!!貴方死にますよ!?多分3秒ほどで!!」
「アリでも転生後3秒は生き延びるわ」
「じゃあ貴方アリ以下です」
「思考回路が読めねえよ」
「神様ですしね」
「神様ってなんだっけ」
「神様です」
自らを神と名乗る女性は側から見るとどこか浮かれているようにも見える。
「あんた、どうでもいいけどなんか楽しそうだな」
から笑いしながら告げた彼はあることに気付く。
まあ、あることと言えどもそれほど重要なことでもない素朴な疑問、というやつなのだが。
「俺、お前とどっかであったことあったっけ?」
神さまはそれを聞くと、彼に背を向けてしまう。
「え?ちょっとどうしたんだよ」
そう言って彼女に歩み寄ると、彼女は彼に背を向けたまま怒鳴り散らす。
「うるさいですね!!もうとっとと行ってください!!」
「えっ?待てっておい!
つか誰もまだ行くとか言ってねえよ!?」
言うが遅く彼の足元には魔法陣的ななにかが描かれていた。
「おいお前情緒不安定かよ!餅つけよ!」
「つかないですよ!餅なんて!あとアリをナメないでください!」
「そこだけ答えんなって!つかアリはもういいよ!?」
時すでに遅し、彼の足元では魔法陣が煌めいて彼を異界へと連れ去る。
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