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順が藤沢駅に到着したのは〇時近くに
なってからだった。車内は夜遅いのに
混んでいた。
降車した人の波が改札に向かう。彼はJRの
改札口へ続く階段の側に渚を見つけると
軽く手を挙げた。
「コンバンハ。」
「疲れた顔してる。」
「夜の小田急に初めて乗ったけど、混んで
て疲れた。」
「家路を急ぐ人の群は空気が澱んでいて
疲れるのよ。」
渚は南口を指して順を促した。
「車? 」
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