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「あー!!ちくしょー!あの魔め!
俺の独り立ち第一試験をかねてたのにうまいことスルリと逃げやがって!
こんちくしょー!魔め!腹が立つ!」
ボルは自分の寮の部屋に戻り声をあげて怒っていた。
それを聞いていた同じ寮のボルの友人が、怒っているボルに向かって、
「ハッハッハ!
そんなまだまだ独り立ちは早いよボル。
俺達まだ12歳だぜ。
なんでそんな早く独り立ちしたいの?」
友人の質問をきいたボルはその友人に向かって、
「そりゃー、俺の担当の先生が俺よりだいぶ早く戦場に出て多くの魔を一人で葬ったと聞けば、そりゃ対抗心は出るわ、負けてられないっていうか……
俺だってよー、早くあの先生みたいに活躍したいっていうか、ようはかっこよく目立ちたいんだよ、俺は……」
その会話を聞いた同じ寮の部屋にいる友人はあきれた顔で、
「ボルっぽいね、ほんと、負けず嫌いな性格はさ。
でもあのボルの担当のライド先生……
なんかちょっと話聞いたことあるんだよね」
「……んっ?何?何の話?」
「うん……」
友人は隣にいるボルに向かって耳の近くでコショコショと話をした。
それを聞いたボルは、
「えっ、そうなの?あの先生、今まで部下や弟子の担当を一度もとった事がない?
なんで?どうして?
なぜ俺はとったの?
んっ、そうかー、俺は将来超→有望そうだからライド先生の目がとまりだからわざわざ俺の担当になったのかな~?」
それを聞いた友人は、言いにくそうな表情で困った顔で、
「いっ、いや、それはちょっと、若干違う気が……
ごめん、ボルちょっと言いにくいけど、ボルっておっちょこちょいだし肝心な所でいつもミスするじゃんかー。
まあ、根性はあるし体力はあるけど、優秀っていう程じゃ……
でもボルのあの先生、ライド先生の直の上司のムスケリって言う嫌なジジィいるじゃんか。
いっつも俺達孤児を見下しばかにしてる奴……
成績優秀で能力がある者にはひいきをして自分の部下に取り入りその者を優遇しているけど、才能ない、成績悪い者に対しては扱いが悪く人間扱いしてくれない奴……
聞けばライド先生もそのムスケリの部下だったらしいけど、そのムスケリの好きそうな生徒は選ばず、何故あえて彼はボルの担当になったのかわからないけど、何かボルはライド先生にとって何かあるのかな?」
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