160人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・なんだと? ・・・あの偉そうな女が俺の・・・?」
愕然として、首を振った。
「嘘だ・・・・うそだろ・・・・うそだ・・・信じられるかよ・・・・・そんなことって・・・・」
知らずに手にかけたことを後悔している。
じっと聞いていたお母さんが、ここで口を開いた。
「園長先生はあなたのことをずっと前から知っていたわ。
二か月に一度やってくる事務機材のメンテナンス係のあなたを一目見たときから。
暗さに気付いて、心を砕いていた・・・あなたの幸せを願って祈っていたのよ」
おじさんはお母さんの言葉を聴いて、崩れ落ちた。
私の足にしがみつきながら、また号泣しはじめた。
空が大分明るくなった頃、パトカーや消防車がやってきて河原には沢山の人が来た。
警察の高橋さんが私達の名前を叫びながら駆け寄ってくる。
すると、おじさんが突然立ち上がって私の腕を掴み、人質にとるような動きをして川の方へ後ろ向きに歩き出した。
「夏鈴!」と、晴馬が追いかけて来ようとする。
「来るな!!」と、おじさんが怒鳴った。
「この子の首を折るなんて容易いんだ・・・。来たら、殺すぞ!!」
最初のコメントを投稿しよう!