第6章 無限回廊6周目

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清々しい朝ではないけれど、永遠に感じた長い夜はこうして終わった。 お腹の中に感じる温かい存在感。 この子がいてくれたおかげで、私は最後の勇気を振り絞ることができたように思う。 念願の晴馬の赤ちゃんを授かったんだもの。 【夏鈴】として、この人生を歩んでいこう。 時間を味方にすればきっと、晴馬の心にもまた明るい朝は来るはずだから・・・ 自宅のベッドで目覚めた朝。 ふと、部屋の片隅に視線が行った。 ---あの時、あの声で呼ばれなかったら、お母さんは殺されていた。 あれはもしかして、お父さんなのかな? だとしたら、亡くなった後もずっと愛する人を守っているんだね。 そうでしょう? お父さん・・・ありがとう。 おわり
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