第6章 無限回廊6周目

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あの男は私の合わせ鏡・・・だ。 すっごく抵抗があるけど、でもこの恐怖の中に飛び込まないと私はきっと抜け出せない。 月も星たちも今は雲に隠されている。 この本当の闇のなかで 私は自分の輪郭を見失う気がしていた・・・。 だけど、そうじゃなかった。 殺意に突き動かされても戻って来れたじゃない。 それに、自分勝手な判断で行動を変えてもみたけど、最低最悪の悪足掻きを試したけど・・・ 何度も何度も気が狂うほどあいつに殺されたり、 大事な2人が殺されたりしたけど、私は自分を見失っていない。 どれもこれも、執着から選んだ行動で、小さな私が怯えていたの。 失う怖さの前で膝を挫いて恐怖の奴隷になっていた・・・。 その反面で、私は愛に縋り自分を保っていたんだ。 手を放してみよう。 怖いけど、離れてみよう・・・ 晴馬・・・・・闇に同化するようで今、やっぱりすごく怖いな。 あなたに出会えて本当に幸せだったよ・・・ありがとう。 愛してる・・・・・愛してる・・・・・何度生まれ変わってもきっと、あなたを見つけるね・・・・・ だから、今は。 私が【夏鈴】であることを、手放すね。
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