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両親不在で育った人は、本当に愛される感覚を知らないのでしょうか?
あの男は危険だし狂暴だし、人殺しをするし、女性を凌辱するけれど・・・一人の人間として生まれてきた。
この世界は優しいから、どんな人も受け入れてくれる。
魂に傷なんかないし、傷付くこともない。
太陽と月にとって、犯罪者も善良な人も命の価値は等しいの。
この命と、あの男の命は、対等。
親の愛に飢えた幼子の苦悩なら私も知っている・・・
愛に執着する魂という呼び名になれば、あの男と私には大して違いはないんだ。
園長先生も、かれんちゃんも、博子さんも・・・博子さんの旦那さんも・・・・。
晴馬も、お母さんも、みんな同じ。
力を抜いてあの男と話をしよう。
言葉じゃなくて、あの男が本当に求めているものをちゃんと知りたい。
知りたいのは私じゃなくて、あの男自身なんだろうけれど・・・
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