第6章 無限回廊6周目

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かつてないほどに落ち着いた気持ちで悪路を進んだ。 坂の下で車を停めて、こそこそせずに歩き出す。 ドアをノックすると、男が出てきた。 とても驚いた顔をしている。 「あなたと話がしたい」と言うと、眉間に深い皺を寄せた。 「・・・波戸崎の娘の方か・・・?」 「あなたが本当にしたいことは、こんなことじゃない・・・でしょう?」 男は私の言葉に動揺していた。 ゆっくりと手を伸ばして、大きくて丸い顔に触れると、ビクッとして後退した。 「怖がらないで・・・、もう大丈夫だから。ただ、話しがしたいだけなの・・・。あなたを傷付けたりなんかしないわ。約束する」 「・・・お、俺を騙すつもりだろう?」
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