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「ほんっと、マジで勘弁しろよ……最悪。帰んぞこのばか」
「やだぁ、急に言葉遣い悪いなぁ……ねぇ先輩」
えい、と加那原先輩の肩を押しやった。ごめんね先輩、とってもあたたかい人。ごめんね。優しさを拒絶するなんて。
ご、め、ん、な、さ、い。
「死んじゃえ、って思ってるって、あたし思ったの……あたしが、茜を死なせなきゃよかったの。だって電話もらったんですもん」
「はぁ?お前――」
「わかってます!そんなこと思ってないの、わかってます。あたしが――あたしが、あたしに思ってるんです。あたしが死ねばいいのに、なんで生きてるの――あの子が死んだ、のに!」
ねえ!と悲鳴みたいな、雄叫びみたいな、汚い声が勝手に喉からあがる。
汚い。
汚い汚い汚い汚い。汚い!
「最悪も最悪なんです!あの子が死んでから――最悪?絶望?なんなんですかねこの軽い言葉!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!あたしが止められたらあの子はまだ生きてたはずなのに!こんな、あたしが泣く資格、なんて、ないのに!!」
許してよ!許してよ!許してよ!と、とてつもなく勝手な言葉が脳内に渦巻く。あああ、このまま先輩がドン引きして、もうあたしに近寄らなければいいと思う。
そう思ってる。
ずっと思ってる。
孤独な部屋にあなたが飛び込んできたあの日から。ずっと、ずっと、ずっと、
あなたは、優しすぎて、あたしにとって毒だ。
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