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父VS息子
手のひらに汗が滲む。久しぶりの息子との会話とはいえ、こんなに緊張するものか?と思うが、最近の息子の様子から考えてこれはしょうがないものではないかと考えを改める。
…最近の息子は普通じゃない。
扉がいつもより重く感じるが、これを退かさねばこれから会う息子との会話なぞ到底出来ないだろう。
あの息子の前では、この程度のもの障害でもなんでもない。
フゥと一息ついて、扉を開くとそこには…
「父上~~~?なんか用~ザマス?」
……ピンクのやたらフリフリしたドレスを着た息子の姿があった。
ああ…頭が痛い。
「父上~~?」
ちなみに隣にはどこから調達したのか分からない私の身長近くあるテディベアがいる。
そのついでに言わせてもらうが父はそのやたら伸ばす語尾はどうかと思うぞ息子よ。
「父上……?」
息子の声が少しドスが入り始めた。
ここは手早く要件を済ますべきか………。
「ンンっ………息子よ。」
「なんザマス?」
「…再婚することにした。」
「よかったザマス。心配してたザマスよ。母上がなくなって以来、父上には元気がないように見えたザマスから」
「…そうか。」
「そうザマス。ひどい有り様ザマシたから、内心ものすごくザマァザマシたけれど。」
「…。」
再婚の話だけならここまできは重くなるまい。
……やはり言わないといけないか。
「一応、心配はしてたザマス。まぁ、とりあえずよかったザマスね。」
「…その」
「なんザマス?」
「………そのな?」
「………ザマス。」
「…やめないか、そのザマスってやつ。」
「なんザマス、そんなことザマスか。今更ですザマスよ?もう定着しちゃってるんだ…しちゃってるザマスから」
「いやしてないしてないしてないしもういっちゃってるからね?普通に話しちゃってるからね?てかもうザマス単体で存在してる時点でおかしいからな???大体それなにザマスって変だろなんで合言葉みたいになっちゃってんのそりゃ男だから合言葉とかに夢は見るさ見るけども!!!」
「アラヤダァホント?んもぅ、ヤァネェ~」
「あれお前なんかいつの間にか新しい世界開いてないお父様の気のせいかなぁ!!??」
「お父様、口調が」
「やめぃ!!!俺は娘にお父様って言われたいの!!!お前みたいなごりごり筋肉マッチョの野郎に言われたくないの!!!!分かる!!?」
「(´・ω・`)」
「やめて見つめないでその謎の化粧顔で見ないでてか白すぎて軽く引いてんのに(´・ω・`)じゃねぇよ今すごい顔よお前」
「そんなぁ…おとうたまぁ……」
「ソレが許されるの幼女だけよ!!?」
「あっ、警備兵さん、こいつです」
「なんで呼んじゃうの!!!?あっ、違うんです!それ息子でs」
「まだ息子がついてるザマス」
「シモぉおおお!!!!おま、ちょ一回黙れ!!!…ははは、警備兵さんここは穏便に話し合いといきましょう……え?いかない??あっ、まってつれてかないで!!!いや、雇い主がそんな人間で幻滅したとか言わないで!!!おい息子!息子!!なんか言え!!!!」
「今度巷で流行の黄色いドレス着たいザマス」
「バカヤロォォォォォォォォォォォォ!!!!」
息子は無事娘になり、3人仲良く?暮らしたそうな、、、。
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