現実と・・・・・・

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薫と想いを確かめ合い、身体を何度も重ねた夜“3時”。 その日の夜から、未知の周りで止まっていた“3時”が動き出した。 美大生としての“夢”は叶わなくなったが、薫の専属モデルとして美術に関わることは続けられた。 そして、プライベートでも薫と付き合い始めた。 義兄以上に慕っていた薫は、「血は繋がっていないし、父さんたちも分かってくれる」と両親に打ち明けた。 連れ子同士の“再婚”だと思っていたのが、実は籍を入れていない“事実婚”だったと知らされた。 『一緒に暮らすのだけは許す』と言ったのが、亡き祖父だったらしい。 以来、薫と未知は2人で暮らし始めた。 薫は、未知を“アリス”と2人きりの時に呼ぶことがある。 今も、身体を重ね薫の昂ぶりを受け止め甘い声を漏らしている未知を「愛しているよ、僕のアリス」と言い腰を激しく打ち付ける。 「あっ、はぁ……あぁん!!」 ビクビクっと身体を震わせ薫のモノを締めつける。 「もっと欲しいんだね? アリス」 甘いキスをされ、「お願い」とねだる。 甘い時間をベッドでも、彼のアトリエでも過ごす。 『アリスの裸婦(らふ)』の絵画のデッサンには、未知の“アリス”としての表情と艶めいた表情がありありと表現されていた。 外部に出す絵では、「気味のこの芳情を独占するのは僕だけだから」と一切公表しなかった。 『3時のアリス』と題した、たくさんの“3時”で止まった時計に囲まれた“アリス”の絵だけがシリーズとして出された。
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