9人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
叶わぬ夢を追いかける“勇気”。
夢を諦めて、“現実”を観るか!?
今の私には、どちらも選べない。
だから、こんなコトになってしまったのかも知れない・・・・・・。
『現し世』と呼ばれる、この世界は、儚いモノや想いが時間が止まったままに存在していた。
私、平地未知は、駄洒落みたいな名前だが“本名”だ。
美術大学入学のための、美術予備校生。
新進気鋭で、現役美大生ながらに作家活動する義兄を持つ。
『お前の作品はイイな』
と、言ってくれていたが・・・・・・“現実”は美大に現役合格出来ず、両親を落胆させた。
作品以上に、義兄への想いも日に日に募り義兄の薫と距離を置いた。
薫は、「いつでも遊びに来いよ」と言って実家を離れた。
薫との距離、自分の作品への夢を、両方埋めたくとも埋められず。
時間ばかりが過ぎていった。
ある夜、“アリス”からインスピレーションを得たかのように模写をし、作品のカタチが創られ始めると、眠る夜の夢の中で自分が“アリス”の格好になっていた。
夢は日に日に、現実味を帯び始めていた。
“時計”が3時になると、“止まる”のだ。
気が付いたら、明け方の3時になっていたり、午後の3時だったりと時間の感覚がなくなった。
気が付けば、『現し世』に居たのだ。
わたしは・・・・・・。
最初のコメントを投稿しよう!