叶わぬ夢と・・・・・・

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叶わぬ夢を追いかける“勇気”。 夢を諦めて、“現実”を観るか!? 今の私には、どちらも選べない。 だから、こんなコトになってしまったのかも知れない・・・・・・。 『(うつ)()』と呼ばれる、この世界は、(はかな)いモノや想いが時間が止まったままに存在していた。 私、平地(さかなし)未知(みち)は、駄洒落みたいな名前だが“本名”だ。 美術大学入学のための、美術予備校生。 新進気鋭で、現役美大生ながらに作家活動する義兄(あに)を持つ。 『お前の作品はイイな』 と、言ってくれていたが・・・・・・“現実”は美大に現役合格出来ず、両親を落胆させた。 作品以上に、義兄への想いも日に日に募り義兄の(かおる)と距離を置いた。 薫は、「いつでも遊びに来いよ」と言って実家を離れた。 薫との距離、自分の作品への夢を、両方埋めたくとも埋められず。 時間ばかりが過ぎていった。 ある夜、“アリス”からインスピレーションを得たかのように模写をし、作品のカタチが創られ始めると、眠る夜の夢の中で自分が“アリス”の格好になっていた。 夢は日に日に、現実味を帯び始めていた。 “時計”が3時になると、“止まる”のだ。 気が付いたら、明け方の3時になっていたり、午後の3時だったりと時間の感覚がなくなった。 気が付けば、『現し世』に居たのだ。 わたしは・・・・・・。
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