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部屋は白塗りの壁で、あらゆる場所に『時計』があった。
中心に、天蓋付きの大きなベッド。
紅い薔薇の花びらが、ベッドを囲うように敷き詰められていた。
「さぁ、おいでアリス」
薫の顔をした王子に、ベッドに座らせられた。
流されるように、王子からのキスを受け止める。
頬、おでこ、首すじ・・・・・・そして、唇。
「・・・・・・んっ、ふぅ・・・・・・はぁ・・・・・・」
王子からのキスの愛撫は、薔薇の甘い香りがした。
香りにどんどんと惹き込まれ、頭が朦朧としてきた。
まどろむ瞳が潤み、王子をさらに欲情させた。
「アリスと、何度もキスしても・・・・・・んっ・・・・・・足りない」
王子は、囁きながらキスを繰り返す。
「あぁ、アリス。もっと、僕を求めて」
「はぁん・・・・・・んっ・・・・・・ふっ・・・・・・」
──キスが気持ちいい──
「もっと・・・・・・して・・・・・・」
未知は、自然と求める言葉をこぼし、自ら王子にキスをしていった。
「んっ、あぁ、アリス」
カチコチと、部屋の中の時計の秒針が動き出す。
ベッドに押し倒され、両手を絡め、王子の愛撫がさらに胸もとへとおりた。
ビクンッと身体を震わせる。
「僕たちは、繋がる運命なんだよ。アリス」
王子の囁きに、身体の芯が熱くなり潤みだした。
カチコチ・・・・・・カチコチ・・・・・・。
王子の首に腕をまわし、さらにキスを求めた。
「あぁ、アリス。求めているんだね、僕を・・・・・・」
「いいよ、もっと貪欲になって」
──求めてイイのね。あぁ、もっと欲しい──
カチコチ・・・・・・カチコチ・・・・・・。
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