華麗なでんぐり返しで金メダルをとる日はまだ遠い

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(自分がバカだバカだとは思ってはいたが、ここまでとは…。) ━━━「はぁ……。」 …どうしてこうも真っ黒な会社様に入ってしまったのだろうと不思議に思う。 サービス残業当たり前。土日休んだ試しがない。 あれ?これってもしかしておブラック?なんて気づいたときには馴染んでしまっていた。 少し考えれば分かったはずなのだが、めんどくさくて思考放棄していた、まだちょっとお肌がピチッとしていた頃の自分が憎い。 (…そういえば) そういえば、よくよく考えずとも私は良い意味でも悪い意味でも適当に生きてきた。 行き当たりばったり万歳。 そんな人生だった。 「え?考えて行動しろ??面倒くさい。フィーリングで十分。」 「そんなんじゃ壁に当たるだろ???だったら当たったらくだけてやる。」 「なにか起きてからじゃ遅い???まあなんとかなるだろ。多分。」 何をいってもこんなのだから、友人たちも最後は諦めの境地にいたと思う。 人様に迷惑をかけてたことがあるのは知ってる。 それでも、なにも知らない傍観者にはなりたくなかった。 自分のことは自分で何とかする。 ━━例えその結果がどうなろうとも。 「…………よしっ!例の気合い入れ、やっておくか。」 ━━彼女は知らなかった。 彼女のはフィーリングというよりは野生の勘。 当たって砕けるのは壁の方。 なにか起きるのは彼女ではない他の誰か。 それを彼女の友人は身を持って知っている。だから諦めの境地にたどり着いたのだ。 …そう、彼女にはなにも通じない。 ある意味最強なのだろう。 そして彼女はまた〈〈最強(凶)女〉〉という異名を持つが、それは彼女の友人達のみぞ知る……。 「いよぉぉぉぉうし!!!!とっととやってやんぜぇぇぇぇ!!!うぉぉおおっっ!!!」そして今日もまた、彼女は気合い(?)と共にパソコンと向き合うのであった。
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