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「ほいでここをこうして~っと。フンフフンフフーン…っし、おらっ!!!」
パッチ~~~ン!!!
勢いよくエンターキーを押した私はそのままの勢いで背もたれへと飛び込んだ。
「ん~っ」
長年愛用してきた我が椅子ちゃんは、疲れきった私を優しく受け止め…
「「ギシッ…バキバキィ!!!!」」
…てくれなかった。まぁ、ずいぶん使っていたのもあるかもしれない。そう、椅子がなったんだ。断じて私の骨ではない。
というか人間が出せる音の限界を出した気がしたが…気のせいだろう。
「…しっかし、よくもまぁ我ながらこんな量をこなしたもんだよほんと。」
ほどほどの高さがある書類の城壁を見て、私はウンウンと…
「「…パキィ!!」」
頷くだけでなっちゃうんですか。そうですか。いい音だすなぁじゃねぇよどんな体だよオイ。
コホン。
…まぁ、良いとこまでいったし、
「とりあえず…今日は終わりだぁぁぁぁぁぁい!!!!」
そう終わり!何て甘美な響きなの!!!
帰るぞぉぉぉぉ!!!!帰れるぞぉ!!!!!あれ目から汗が(泣)
内心感激しながら固まってしまった腕達を大きく伸ばした。
だけのはずだった…。
そう。伸びをしただけなのに。
「あれ?なんか世界が反転してね?」
何故か地面が近づいて来るなぁなんてぼんやり考えていると、
「「ガッシャアアアアアアアアアン!!!!!」」
何で頭と地面がくっついてんだろうとか、重力が反転したのかななんて思って…
そのままだんだんと薄れ行く記憶の中。
「……あ、明日給料日じゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
哀れこれが最後の言葉になったとは知らずに、意識を手放した。
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