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「グラビアアイドルフォローするためにな」
「……へえ、DMで口説くんですか」
「しねえよ、仕事。口説くなら直でやる」
この人でも女の子を口説いたりするんだ。想像しようとしたが、無理だった。だってセクハラしかされたことないし。
どんな店に行くんだろう。少なくとも、大衆居酒屋へは行かないだろう。バーとか行っちゃったりするんだろうか。なんか変なの。
酔っぱらってキスしたりとか。先日の、唇の感触を思い出しかけ、私はぶんぶん首を振った。
あれは事故だ。三澤は絶対覚えてないし、慰謝料を請求したいところだけど無理だろう。べつに、気にしてなんかいないし。あんなものは粘膜と粘膜の接触だし。
「ああ、そうだ。またエロ記事書いて。こないだのよかったから、あんな感じで」
三澤の言葉に、眉を寄せる。
「またですか?」
「明後日までな」
「ハイ」
私はしぶしぶ頷いた。三澤は私の頭をくしゃっと撫で、自分のデスクへと戻った。なんか、機嫌いいな。グラビアアイドルとやり取りできるから?
「……触んないでよ。セクハラなんだから」
私は乱された髪をなおしつつ、パソコンに向かった。
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