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「馬鹿馬鹿しいものを作りたいって三澤は言ってた。社会問題を取り上げたら偉いわけじゃない、芸能人のスキャンダルをすっぱぬけば凄いわけじゃない。読んで楽しい記事を作りたいんだってさ」
「……それが、エロ雑誌……」
「まあ、そう言いつつほとんど趣味だろうけど」
私は三澤のデスクを見つめてつぶやいた。
「怖いですね、記事を書くって」
「そうだな。雑誌を作ってると、たまに怖くなるよ。言葉が人を死に追いやることもあるんだ」
橋本が私の肩に手を置いた。
「貧乳って言われたくらいで気に病んだらだめだよ」
「心配してくれるなら、そもそも言わないでください」
彼は笑って、デスクへ戻って行った。
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