初めて編(3)

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初めて編(3)

   川崎と橋本が帰っていき、しん、とした部屋の中、私はパソコンに向かっていた。カーソルを合わせて、文字を打つ。画面に羅列されているのは、世の中に全く必要ないだろう、小さなエロ記事のネタ。こんなの読んだって、全然興奮しないのに。  なのに、さっき三澤に触れられたことを思い出すと、身体が勝手に火照ってくる。  三澤の手は大きくて、指が長かった。ほとんどない胸を包み込まれたとき、身体がびりっと痺れた。  火照りを抑えるように、息を吐く。その吐息が、やけに大きく聞こえた。  なんで、こんなことで、こんな場所で興奮してるんだろ。あんなの、ただのセクハラで。三澤は嫌いな上司で。ここは狭苦しい仕事場なのに。興奮することなんか、ひとつもないのに。  私はそっと、自分の胸に手を這わした。服の上から撫でて、その下に手を潜り込ませる。 「ふ」  シャツを口にくわえて引っ張ると、ブラをつけた自分の胸が露わになった。そっとブラをずらし、胸元をまさぐる。かすかに乳首がたっているのがわかった。吐息を漏らしながら乳首を撫でて、ズボンに手を入れる。ショーツの上から柔らかくなでたら、少し湿っていた。 「ん、う」     
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