第39話 ショッピング

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 ファッションビルの中の靴屋まで一直線に行くと、すぐに俺に合うショートブーツを選んでくれた。  ヴィンテージみたいな茶色の革が、わざとツギハギになってる、洒落たブーツ。俺も気に入った。  店員にこのまま履いていくと言って値札を切って貰ってる間に、いつの間にか会計を済ませ、履いてきたローファーはギターケースにしまわれていた。  凄い。エスコート、完璧。 「靴、ありがとう」  俺はまた指を絡めて歩き出す綾人に、慌てて礼を言った。 「恋人に礼を言われるのは、嬉しいもんだな」 「え、礼くらいするだろ」 「しない奴の方が多かった」 「あ……」  綾人、エリートだもんな。金目当ての女に、ちやほやされてきたんだろう。  そう思って俯くと、即座に綾人が謝った。 「ああ、すまない。デート中に、他の女の事を考えるなんて。許してくれ、四季」  格好はワイルドだけど、中身は真面目で誠実な綾人だ。  俺は少しホッとして、小さく笑って上目遣いで睨んでやった。 「クレープ、トッピングして良いなら、許してやる」
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