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耳元で、熱い吐息混じりに名前を呼ばれ、子宮がヒクリと蠢いた。
精液はもう出つくして、勃ち上がった前からは何も出ないまま、雌イきする。
「アッ・んぁっ・イく、イく――……っ!!」
綾人を受け入れてる孔が、ぎゅうと締まり上がる。今までで一番キツい締め付けに、綾人もセクシーに眉根を寄せていた。
「く……っ四季」
最後に最奥に、何度も綾人の灼熱が叩き付けられる。
俺は息が上手くつげずに、口角から唾液を零して仰け反った。
初めて子宮が、綾人の熱い体液に満たされる。
本能で受胎した事を察し、悦びに打ち震えて、俺は綾人の背中に爪を立てた。
「綾人……子供、出来た」
「ああ。よくやった、四季。来年には、お前は母親だ」
楔がズルリと抜かれ、俺は肩を喘がせる。
触れるだけの優しいキスが、何度も唇に落とされた。
「綾人は……」
「ん?」
「綾人は、俺がΩでも、隠さねぇか?」
「当たり前だ。お前がαだろうがβだろうがΩだろうが、私の妻として紹介する」
目頭が熱くなった。『Ωである俺』に初めて居場所をくれたのは、綾人だった。
「綾人」
嬉しくて、ただ名前を口ずさむ。
「何だ」
「綾人」
「ん?」
「……何でもない」
俺のふたつ並んだ涙ぼくろに口付けて、綾人はワイルドに笑う。
「おかしな奴だな」
「うん。俺、綾人と居るとおかしくなる」
「こら。これ以上、誘惑するな」
「は? 誘ってねぇし!」
「やっぱり、ツンデレだな」
「ドSには、言われたくない」
ちょっと視線で火花を散らし合った後、俺たちは同時に噴き出した。
「綾人」
「ん」
「んっ」
それ以来、ベッドで綾人を呼ぶと、ちょんとキスされるようになった。
それは誰にも見せない俺たちだけのサインで、俺は歌うように愛しく、綾人を呼ぶのだった。
「綾人」
「ん」
Happy End.
※あとがきあり→
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