第3話 シィ

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「四季って、何処出身なんだ?」 「あ……北海道」 「えっ、道産子!? ウチのクラス、半分ぐらいが地方出身者だけど、北海道は初めてだな~」 「ナベくんは?」 「ナベで良いよ。俺も四季って呼んでんだから」 「うん」 「俺は東京生まれ」  ナベは良い奴だったけど、こんな調子で休み時間はずっと話しかけてくるもんだから、好奇心で集まってきてた奴らにも、あっという間に俺の素性は知れてしまった。  クラスに慣れるには良いきっかけだけど、詮索されちゃ敵わない。  俺は昼休み、購買で焼きそばパンとカツサンドを買って、人の居ない場所を探して屋上を目指した。
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