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そんな会話を続けていたが、突然それは姿を現した。
スコッシュ王国では基本建物は4~5階、高くても10階建ての石造りの建物が立ち並ぶ街並みなのだが、街道の坂を登りきり大きめの建物を通り過ぎた時に見えたのは、一際高く大きい建物であった。
鉄と石細工で飾られたそれは50階建で高さ240mもある上、並び立つ他の建物も100mを超えるものばかりで、一つの城のようである。
先ほどまで騒いでいた生徒たちは一様に息を飲んだ。
俺自身こんなに大きかったかと思ってしまう。
ヴッィトなんかは上を向いて、開いた口端からよだれを垂らしている始末だ。
近づくにつれて大きさを増す校舎、そして複数の垂れ幕のある砦の如き正門が姿を現した。
ドライバーが警備員と二言三言言葉を交わして、そのまま校内へ入る。
やはりデカイ、近くで見ると尚更である。そして、校内に入るとその広大さに驚かされる。
大半をに芝生に覆われた中庭は、所々にオブジェクトとして機兵の実寸大の模型や本物のパーツが置かれており、その周りに円を描くようにベンチが設置されている。
運動場なども複数完備されているが、それ以上に目を引くのはそれぞれの数字が書かれた倉庫、機兵整備施設である。
他にも研究施設、戦闘演習施設など、機兵に関する一通りの施設は揃っている。
あぁ、ここは…ここはまさに楽園だ!俺はここに来るために生まれて来たのだとさえ思えてくる!
『ついにいかれたわね』
アミが俺たちの席の上から顔を出している。何をいっているんだ。
『アミ、俺と席の交換しね?』
『今だけは絶対にイヤ』
『お前らなんの話をしているんだ?』
『叫んどいて自覚無いのは流石に怖いんだけど…』
アミの顔が本気で引き攣っている、ヴィットも同様だ…。
『いや、それはきっとお前たちの気の所為だ。』
『いや、冗談抜きにキモいわ…』
ぷっちん
『………そもそも、機兵大学は人族の発展に欠かせない機兵の発展の地であり、革命戦争後初めて作られた学び舎だ!今の人族の技術や知識だって機兵研究の過程で見つかったものばかりだ、それに工業から家庭で使用される機械類もほぼ全て機兵の技術を応用したものばかりじゃ無いか!!そして、その機兵の歴史から見てここはまさに聖地!つまり、人族にとってここは聖地であるとも言える!!そんな地に足を踏み入れておいて胸が高鳴らないお前たちの方がよっぽどふぅっ…』
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