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視界が縦に大きく揺れる。
あれ、何が…?
『みなさ……つぎ…は………よぉ~』
薄れゆく意識の中、最後に聞いたのはそんな声だった。
気がつくと俺たちを乗せたバスは目的地の本校舎前に到着していた。
なぜか痛い頭を庇いながら車外へと降りる、下から見上げる校舎は、今まさにこちらに倒れようとしてるかのような迫力があった。
てか、暑すぎ…しぬ…。
全員が校舎前に整列し、一通りの点呼が終わった頃、校舎の入り口から白地のスーツに身を固めた細身の男が優雅に歩いてくる。
細く強気な眉に、切れ長の目、長くしなやかな線をした首の横で肩のあたりまで真っ直ぐ伸びた白髪は風に軽く煽られて揺れる。
何だこのイケメンは…。
『みなさん本日は遠いところお越しいただきありがとうございます。アルス・ゼレースキ・ノワールです。今日一日よろしくお願いします』
胸に手を当て恭しく礼をする、ムカつくほど様になっている。
それにミドルネームを持っていると言うことは、上流階級の家柄である事は間違いないだろう…。
『ノワール先生よろしくお願いしますぅ~』
エリス先生の声に合わせて全員が挨拶を返す。
『ノワール先生は機兵や精機兵の歴史を研究されている方で、現在機兵大学の教授として講義などを行なっているすごぉ~い先生なのです!今の若い学生たちに是非機兵の歴史を知ってほしいと言うことで時間を空けて来ていただいていますぅ~。くれぐれも失礼の無いよう気をつけてくださいねぇ~』
それにしても、金持ちであのルックスで教授?しかも機大の?見るからに若い…まだ20代中盤くらいだろうか。
リアルでチートとかやめてほしい。
『今回の見学は機兵の歴史について学ぶことが目的なので、本校の展示施設へ行きそこで簡単に機兵の歴史について話をしましょう。その後、昼休憩を挟んでからみなさんに最新の機兵を実際に見ていただき、余った時間で自由に校内を見ていただこうと思っています。』
リアルチート先生もとい、ノワール先生による今日のスケジュール説明が終わると彼も含めて再びバスに乗り展示施設へと移動する。
校内が広いため、移動はバスで行うようだ。
展示施設へと到着し全員がバスを降りる。
見た目はコンクリート造りの何の特徴もない建物なのだが、機兵本体なども展示する施設なためかなり大きい。
簡単に建物の説明をしたノワール先生の後に続いて展示施設へと入っていった。
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