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『変わりたい』
そう思って将来に活かす為に英語を習っている。
だから、今までのただ生きていた環境から一歩踏み出しての『現在』がある。
それでもマイクは『足りない』と言う。もっと変化が意志が必要だと。
「資格とか語学とかは学べば確かにすぐに身に付くもんや。でもな、そのスキルを扱うためには人間としてのスキルを深めていかんなあかんねん。その手助けをしたい」
具体的にどういう事なのかを尋ねると。
「簡単や。ユーキ、俺と『友達』になってくれ。友達なら色んな事をアドバイスすることができるやろ?たまにキツイ事も言うてまうかもしらんけど……俺はユーキのことを気に入ってるし、ユーキも俺のことを気に入ってくれてる。仲良くなれば喧嘩もするし、意見の食い違いもでてくる。でもな、友達やから『理解したい』って思うんや。そういう仲になりたいんや」
今まで誰にも言われたことのない強い要求。私は呆然として掠れた声で呟く。
「友達……?こんな……私と?」
「『こんな』なんて言うな。ユーキは素敵なもん、いっぱい持っとる。その素敵なもんをもっと目に見えるわかりやすい形にしていくねん。俺が協力して、ユーキが本気で変わろうと努力すれば絶対に叶う。約束する。ユーキは魅力的な女の子になれる」
強い視線。真っ直ぐに私を見つめていて。強い言葉。少しの痛みを伴いながら私の心に響いていく。
「もっと……変わりたい」
私の小さな小さな声の宣言にマイクは今まで見たことがないくらいの強くて眩しい笑顔を浮かべた。
そして、このときから私達は『裏契約』と言う名の『友達』となった。
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