STORY 《Ⅰ》-two-ユーキver.

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本当に優しい人。 彼の気遣いに甘えることしかできないこんな私なのに。 『友達』という関係は本来、対等な関係だと思う。 彼はその優しさや気遣い、彼が持っている情報や多彩な人間関係を私の為に惜しみ無く使ってくれる。でも、私は?一体、彼に何を返せているのだろう? 今まではただ甘えていた。 でも、彼も苦しみや悔しさを抱えている。それを知った今、私が彼の為にできることは何だろう? 「付き合うことはできるけど、お店じゃなくて、私の家で飲み直ししよう?ゆっくり写真のことも聞きたいし」 きっと、あんな極端な白人さんにこの日本で出会うことなんて稀なんだってわかっている。でも、また同じようなことに遭遇してしまったら、きっと辛い。 ならば落ち着ける家で。 私の家にはマイクも最初の頃に数度訪れている。私の生活環境の改善の為に。 そんな気持ちからだったのだけど、マイクは驚き顔。 「ユーキ。夜に男を家に呼ぶ意味、わかっとるんか?」 「えっ!?」 考えてもなかった質問に頭の中が真っ白になって言葉がでなくなる。そして、その『意味』が脳裏に浮かび上がって、首から上が熱くなった。 私のそんな反応が楽しかったのかマイクはゲラゲラ笑っている。 「ごめん!冗談やって!でも俺以外の男にそんな無防備になったらあかんで。体を許してもええって覚悟がないうちはどんなに親しくなっても男と密室で二人になったらあかん」 最初は笑いながら、後半は真面目な顔で。そして少し心配そうに「最近のユーキは可愛くなっていくのに比例して、どんどん隙だらけになっていってるからなぁ」と呟いた。 それは……きっと、マイクの前だけだ。仕事場ではあまり前と変わらない。少しだけ雑談してもらえる率が上がっているだけで。 「ユーキ、ありがと。やっぱり店に行くんは少し億劫やったから有難い。ほな、ユーキの言葉に甘えさせてもらうな」
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