77限目 小プールの男の子

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夏休みのある日、K県の小学校に通っていた智樹は三人の友人達と共に学校のプールへと肝試しにやってきました。 というのも、智樹の通っている小学校の小プールは何故か使われていないのです。 黄色いテープが貼られご丁寧に使用禁止とまで書かれており、子供達の間では昔あそこで殺された人がいる、実は小プールを作るときに埋められた人がいた………と様々な噂がありましたが真相は謎のままでした。 そこで智樹は友人達と噂を解明してやろうと夜中に学校のプールにやって来たのです。 早速、フェンスをのぼってプールに忍び込む智樹達。そのまま小プールへとテープを越えて入ると膝丈くらいのプールは浅いだけで特に何か問題があるわけでもなく智樹達はそのまま水をかけあったりして遊び始めました。 ふと、腐った臭いがして智樹が手を止めると背中に視線を感じ、振り返るとフェンスの内側に黒い男の子が立っていました。 こんな時間に?と、智樹が不審に思っていると友人の一人が男の子に気づいてこっちにこいよ!と声をかけました。 その瞬間、男の子は音もなくスッと宙に浮きながら滑るように近づいてきたのです。 それと同時に強くなる腐敗臭に智樹は直感的にこの世の者ではない!と、慌てて外に逃げようとしました。 慌ててプールから上がろうと前を向くと、目の前にはあの男の子がいました。 その顔には眼球はなくブヨブヨと肌が真っ黒に腐敗しており、グチョグチョと嫌な音を立てて汁が垂れていたのです。 固まる智樹達に男の子はニヤッと笑うと、友人の一人に手を伸ばし智樹達はそこで意識を失ってしまいました。 気が付くと、智樹は病院のベッドで寝ていました。 何でも朝、水やり当番の子が発見してくれたらしく智樹と友人二人はガッツリ親や先生に怒られたのですがもう一人の友人がいませんでした。 親や先生に訊いても何も教えてくれず、退院の日看護師さん達の噂で原因不明で肌が真っ黒に腐った男の子が別の病院に運ばれたと聞きました。 夏休み明け、その友人は転校したと聞きました。 あれから、友人には会えておりません。 そして、あの男の子が何者かもまだ分かっていません………。 おしまい。
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