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K県のとある小学校には、新校舎の隣に木造平屋建ての旧校舎がありました。
100年前に建てられたと言われている、その旧校舎にはいろいろな噂がありました。
夜になると旧校舎の理科室に置かれている骸骨が動く。
音楽室の肖像画が喋る
理科室のホルマリン漬けが動く
なかでも、特に噂が多かったのは旧校舎の一階女子トイレでした。
誰もいないのに水を流す音が聞こえる
三番目のドアをノックすると花子さんが出てくる
赤い紙青い紙
なかでも一番生徒達から恐れられている噂がありました。
それは、鈴の音が鳴ったらすぐに逃げなければならない………。
逃げなければナニかが起きると言われていて、生徒達はその噂を非常に怖がっており誰も旧校舎に近づこうとしませんでした。
そんなある日、工事により一日だけ新校舎のトイレが使えなくなってしまったのです。
そのため、生徒達は旧校舎のトイレを使わなければならなくなったのですが噂を怖がった生徒達はなるべくトイレに行くのを我慢するか、もしくは集団で行くように心がけました。
放課後、教室で帰りの準備をしていた3年生の郁美は急にトイレに行きたくなりました。
郁美も旧校舎のトイレの噂を怖がって、なるべくトイレに行かないようにしていたのですがとうとう我慢の限界が来てしまったのです。
仲の良い友達は今日は塾とピアノがあるからと先に帰ってしまい、郁美は途中で図書館に寄ったのもあって教室に帰ってくるとクラスメイト達は郁美を覗いて帰っていました。
行きたくない………でも、もう我慢できない………!
しばらく悩み、家に帰りつくまで我慢できないと判断した郁美は勇気を振り絞って旧校舎のトイレに行くことを決めました。
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