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劣悪遺伝子排除主義者の…
「障害疾患のある奴らは、生きてても仕方が無い可哀想な奴らだ。だから俺がみんな命を絶ってやった。俺に感謝しろ」
男は捜査官達に、そう言い放った。
精神、身体、各種の障害を持った人達が入所する養護施設を襲撃し、意思薄弱で抵抗出来ない入所者達を、男は次々と刃物で刺していった。
確実に絶命させる為に、一人一人首を狙って斬りつけていた。
犯行現場の施設は夥しい死体の数が幾重にも重なり合い、建物の中は鉄が錆びたような刺激臭が充満し、ただの形容ではなく、まさしく血の海と化していた。
現場に駆けつけた消防の救急隊員や警察官達は、この現場の様子を見た時に、そのあまりの凄惨さに、様々な現場を経験したベテランさえも、その光景に絶句した。新米隊員などは、ショックで泣き出す者、気分を害し吐き気を催す者、実際に嘔吐する者もいた。
◆
戦後最大の被害死者を出したと言われた事件であるが、犯人である男は直ぐに身元が判明し、警察に逮捕された。
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