風邪

2/2
786人が本棚に入れています
本棚に追加
/308ページ
(ベッドルーム) 樹「ただいま……柊くん、熱が出たって?  大丈夫?」 柊「あ……ゴホッ。多分大丈夫です。……済みません」 樹「声もだいぶひどいね…熱、今どのくらいあるの?」 柊「……えっと……さっき測ったら、38.8度……」 樹「え、そんなに!? 全然大丈夫じゃないよ! ちょっと待ってて。今お粥準備するから…」 柊「樹さん」 樹「ん?」 柊「(心細そうに)……少しだけ……ここにいてくれませんか……」 樹「……(柊のベッドサイドに座り、額の汗ばんだ髪に触れる)」 柊「(熱い指で樹の手に触れる)手、冷たい……気持ちいい……」 樹「…………」 (優しく唇を重ねる) 柊「……ん…… ダメですよ、うつります」 樹「……構わない」(キスが深くなる) 柊「…ね、樹さん……今日はほんとにダメです……」 樹「嫌だ……  ——その苦しさを、僕にも分けて」 柊「でも………あ…待って……  ……ん……あ…っ……」 (3日後の朝) 樹「(ベッドの上で会社にTEL)……あ、菱木さん? ゴホッ…… 悪いんだが……今熱が40度近くてね……どうにも今日は休まなきゃ無理そうだ……本当に申し訳ないが、代わりに依頼したい件が……ゴホッッ!」 柊(樹にうつして治った)「……『副社長のパートナーは絶対に流されちゃダメなんだ……っっ!!』」
/308ページ

最初のコメントを投稿しよう!