10. 事の結末

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 ◇◇◇  ノエたちが戻ってくる間に、私は駆けつけてくれた犬の警察、ホランたちに一切の事情を説明した。ホランは心底安堵したように微笑むと、「できれば猫どもの盗賊行為についても、苦言を呈していただきたかったですな」と冗談めかして言った。  海底都市から何か詫びがあるあらしいので暫くここに滞在すると言うと、この都で一番いいホテルを紹介してくれた。セキュリティがしっかりしているというのが理由だ。私は二つ返事でそこに決めた。ノエにも子どもたちにも、もう不安な思いはさせられない。  シャワーから帰って来たノエたちは、服まで貸してもらっていて、その服はたいそうノエに似合っていた。真っ白な生地に刺繍された赤い花の模様は精緻で、恐らくは女性用ではないだろうか。一応はズボンを穿いているが、上に着ているのはワンピースのようだ。エメやプリーエルがママ、ママと呼んでいるから、勘違いをされたのだろう。エメとプリーエルもそれぞれ子どもらしい、愛らしい格好をさせてもらっていた。     
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