10. 事の結末

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 ノエは私にもシャワーを浴びるように勧めたが、この犬の都の一般的な広さの風呂では、私の身体は収まらないだろう。ホテルに行けば大きな風呂があるから、とノエを納得させる。するとノエはエメを通して「それなら早く行こう」と言いながら、私の身体をもう一度丁寧に拭き上げてくれた。水をしっかり払ってくれたので、私も人型になることができる。……濡れたままだと、人型になった時に纏う服も濡れるのだ。  それからは、犬の警察たちが持って来てくれた荷物を携えてホテルに向かい、部屋に入った途端にエメもプリーエルも、二つあったふかふかのベッドの一つに飛び込んで、寝入ってしまって。  気付けば私も身体中が怠く、泳ぎというものがいかに体力を消耗するものかを思い知る。ノエはそんな私に気付いたようで、苦笑しながらも私を広いシャワールームまで引っ張った。  椅子に座らされた私はもう眠りそうだったが、ノエが服を脱ぎ始めたので少し目が覚める。濡れないようにと脱衣所に服をまとめたノエは、優しい笑みを浮かべながら、私の身体を上から下まで洗い始めた。随分と久しぶりに見たような気がするノエの裸はなかなかに刺激的で、意図的だろうと思うのだが、時折密着する滑らかな肌は、その度に私の目を覚まさせた。  私の全身を手早く洗い上げたノエは満足げで、部屋に用意してあったバスローブまで私に着せてくれる。部屋に戻ると、ノエはベッドの上にぐでんと転がって寝ている子どもたちを抱き上げてちゃんと枕に頭を乗せ、私もベッドに横たわらせた。  そして荷物を少し漁ると、私と同じバスローブ姿で、ノエも私の隣に寝転がる。     
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