間章1. まさか、まさかの

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間章1. まさか、まさかの

 ――妊娠一年目ですね。  お医者さまから告げられた言葉に、俺もロワも暫く声を失った。  大きくなったような気がするお腹をロワに見せ、これってもしかして子どもかなと相談しつつも、俺でさえ本気ではなかった。そもそも俺に受胎能力はないし、エメの時は特別な儀式だったらしいし、まさかそんなことは、ちょっと太っただけだろう、と。  念のため原初の森からククを呼んで、三人で病院に行った。王都で一番大きな総合病院だ。俺は元の人間の世界でもあまり病院に罹ったことは無いからよく分からないのだが、白を基調とした屋内は確かな清潔さを感じられるところだった。  恥ずかしかったが産婦人科に行き、女性の竜の先生の指示で診察台に上がって、彼女の手がそっと俺の腹に触れた時、俺の腹は仄かに白く光ったのだ。  これが竜の国の医療らしい。魔法を使う。白く光ったのは、卵が先生の手の平に呼応したから。  つまり確実に、俺のお腹の中には卵がある。  大きさからみて、恐らく一年目ほどだろう、と。 「い、一年前……って……」  トカゲの国で、初めてロワと繋がった時。     
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