間章4. 季節は過ぎて

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間章4. 季節は過ぎて

 子どもの成長は驚くほどに早い。  エメは寮生活だし、ロワは家事育児に協力的で、俺は過度の心労や辛苦もなく毎日を過ごすことができた。幸せな日々。プリーエルはすくすくと育ち、言葉もたくさん覚え、あれよあれよと言う間に幼稚園に入園した。優秀なのはロワの血筋で、プリーエルも入園から一年も練習すれば人型になれるようになってしまった。だけど竜の姿の方が好きなようで、俺の前では常に翼をぱたぱた動かしている。  長期休暇で帰ってくるエメはプリーエルのいいお兄ちゃんになってくれた。面倒をよく見てくれるし、いつも一緒に遊んでくれる。プリーエルもエメに懐いた。あまり会うことができないから兄弟仲は少し不安な点だったのだが、杞憂だったようだ。 「ママ、プリーエルがお腹空いたって!」 「最近よく食べるね、プリーエル。おやつ作ってあげよっか」 「おやちゅー! かぼちゃぱいがいいー!」 「かぼちゃパイはね、パパがいる時じゃないとね」  あれは硬すぎて俺の手には負えない。一度力づくで叩き切ろうとはしたのだが、その音に怯えたプリーエルが泣き出してしまったのだ。かぼちゃはロワがいる時じゃないと切れない。     
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