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「気持ち悪いおっさんだな……」
「それに……、この後なんだけど……」
画面が切り替わると、ビデオカメラ担当の田中も飲み食いに夢中になっていたようで、すでに俺達はかなり出来上がっていた。
映像には、立ち上がる高木の姿が映っていた。
ビデオカメラがトイレに行くという高木の姿を追うと、高木の後頭部には黒い靄がかかっていた。
そして、高木の奥にチラリと、あの中年の男らしき姿が映った。
この後、高木はいくら待ってもトイレから戻って来ず、見に行くと高木の姿はなかった。
結局、高木は先に帰ったのだと思い、俺達は居酒屋を出たのだった。
携帯の留守電に高木から、『気分が悪くなったから先に帰る』と入っている事に気づいたのは、家に着いてからだった。
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