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映像、カラオケボックスに移り変わった。
ミラーボールの照明の下で、俺や葵がノリノリで歌っていた。
美穂は歌が苦手な為か、ただただ聞いていた。
ビデオカメラが俺達を映した後、美穂にカメラを向けた時だった。
美穂の奥側に、またあの中年の男の横顔が現われた。
男は自分が撮られていると気づくと、ゆっくりビデオカメラの方を見つめた。
鼻から上は暗くて見えないが、口元を見る限りは無表情だった。
「なんで、ここに知らない男がいるんだよ!気づかないなんておかしいだろ!!」
俺はその映像を見て叫んでしまった。
「いなかったよな……。いたら、絶対に気づくはずだ」
「なんなんだよ、こいつ」
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