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「うそだろ……。あいつ、俺の部屋にいるのか……?」
田中は、何も映っていないモニターをじっと見つめている。
俺は愕然としたまま、どうしていいかわからなかった。
その時、昼休みから戻って来た二人の女子生徒の噂話が聞こえて来た。
「ねぇ、知ってる?葵さん、行方不明なんだって」
「え、マジ?」
「うん。なんか、隣のクラスの高木君とミホリンなんて、入院したって。なんか、呪われてない?この学校」
そう言って、他人事のように笑った。
「俺……、あの部屋帰れねぇよ。なぁ、しばらく田中ン家に……」
そう言いながら田中の顔を見ると、田中は真っ暗なモニターを見ながら鼻血を流し、そのまま倒れてしまった。
結局、俺はあの部屋に帰る事が出来ず、もう何週間もネットカフェに泊まっている。
これから先どうなるのか。
考えただけで、頭痛と胃痛がひどくなる。
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